北本に夏を告げる「初山参り」

取材に協力してくださった東間浅間神社総代の皆さま。 左から植野さん、竹井さん、川村さん
取材に協力してくださった東間浅間神社総代の皆さま。 左から植野さん、竹井さん、川村さん

 

北本駅の東口を降りて徒歩約7分、旧中山道沿いを鴻巣方面に歩いていくと、富士山の祭神を祀る神社である東間浅間神社が左手に見えてきます。
「初山参り」を知らせるのぼりやポスターが街のいたるところに置かれ始め、6月の半ばには境内に舞台が設置され、
祭の1週間ほど前には提灯が飾られます。

毎年6月30日7月1日に富士山の山開きにあわせて行われる「初山参り」は子供たちの健やかな成長を願う地元に残る伝統行事です。
参拝者は1歳までの赤ちゃんとともに富士山に似た急な富士塚を登り、
赤ちゃんの額に「神寶(しんぽう)」と書かれた朱印を押してもらい、御札や団扇を持って帰ります。

東間浅間神社では初詣に次ぐ大きな行事として、市外県外から、そして0歳児から三世代に渡り例年500名を超える祈願者が訪れます。

今回は祭前の準備に忙しい中、総代を務めるお三方にお話を伺いました。
(総代とは土地の神様である氏神様を信仰する氏子の代表。宮司と協力をして祭を行います。北本では自治会長に任命されボランティアで運営されています)

【総代からのコメント】

(川村総代)東間1丁目から8丁目の祭りの中で人の出入りが一番多い行事であり、今年は昨年より多い94の露店が出店します。
この日ばかりは、家の中でゲームに夢中な子供たちも外に出てきて別々の学校に通うことになった友人たちと久しぶりの再会を果たす光景が見られます。

(竹井総代)北本からいろんな市区町村に嫁がれた後に、里帰りするきっかけになったことが嬉しく思います。

(植野総代)北本市ができる前の東間村の時代からある長い歴史のある祭事ですが、
北本市は比較的新しいまちであり一番長く住む私も元は戦後東京から越してきました。
総代の中でも北本生まれ育った住民は少ないですが先代が守ってきた伝統を絶やさぬように取り組んでいます。

生まれは違えど「伝統を絶やさぬように」と歴史・文化を守り続けている、総代方の根底には
『自分たちのまちである』という自治の想いがあり、災害に強く住みやすい、子育てに良いまち、である北本を
「後世に残したい」そして「終の棲家」だと思いながら伝統文化を大切にして過ごしていることが伺えました。

【最後に】

取材をする中で、子ども時代に何の気なしに遊びに行っていたお祭りは、
塾や習い事の後に友達と遊んだ記憶が私の原体験としてありますが、
大人になってから改めて身近にある氏神様の存在や祭事の意味を考えるきっかけとなりました。

初山参りも少し早めの夏祭りも楽しめる「初山東間浅間神社例大祭」
北本の夏を感じたり、久しぶりに家族や友達に会うきっかけとなるお祭りです。
ぜひ足元にお気をつけてお越しください。
最新情報はコチラ⇒北本市観光協会(@kitamo_to_urism) • Instagram写真と動画

※初山参りは近年までコロナ禍だったこともあり1歳以上のお子様も受け入れているとのことです。

 

 

類似投稿