『&green COLUMN』は
旬の野菜を作る農家さんに直接お会いして、お話を伺い、農家さんの人となりやこだわり
野菜に込める熱い情熱などを、少しずつ紹介していく、連載コラムです。
初回となる今回は北本市朝日地区で代々農業を営む内田農園さんにお邪魔して、お話をお聞きしました。
&greenCOLUMN vol.1 「ベジファーム北本の初夏採り野菜」 書き手:高田なつき
北本駅より南東に向かって車で走ること約20分。
桶川市との市境にあたる北本市朝日地区に、ベジファーム北本・内田農園はあります。
お伺いした5月下旬はちょうど田植えの時期。
大きなマンションや住宅が立ち並ぶ幹線道路から一本入ると、
田んぼには水がはられ、農家の皆さんが田植えの準備に勤しまれています。
書き手である、私高田は、こちらの内田農園さんの近所に住んでおり、内田さんの畑の道は小学校の通学路でした。
重いランドセルを背負って坂道を上がると、一面に広がった野菜畑。
毎朝一列になって歩いたこと、じゃんけんをして負けた方が電柱から電柱までランドセルを背負ったこと。
10年の時を経ても、ここには同じ景色と同じ時間が流れています。
その背景には内田さんの野菜作りへの、こだわりと情熱が秘められていました。
内田農園の10代目内田泰宏(うちだ やすひろ)さんは、約400年以上にわたり、北本市朝日地区で農業を営み、
現在では年間100種類以上の野菜を作っている北本を代表する農家さんです。
初夏の時期には、ブロッコリー、キャベツ、ニンジンとよく知っている野菜から、
「お多福来大根」「サクラカブ」といった、昨年北本ブランドに認定されたばかりの野菜まで、多種多様の野菜が並ぶ畑はまさに壮観です。
隙間なく整列する野菜たちですが、足元に目をやると小さな雑草が生えています。
泰宏さんの代から「特別栽培」という栽培方法を用いて野菜を育てているためです。
特別栽培とは、農薬を極力使わずに栽培する方法です。
農薬にはそれぞれ役割があり、それをうまく組み合わせることで害虫に耐性をつけることなく、最低限の農薬で栽培を可能にしています。
また化学の力のみに頼らず、害虫の天敵を利用し自然と共生しながらも育てているのです。
「収穫の時期を迎えるまでにはやはり色々な思いでやっていて、その思いをちゃんと伝えないと野菜たちも答えてくれないんですよね。
野菜も一日一日命があって育っていますし、それが肌身で感じられてこそ一人前だと思っています。」
30年前に就農してからは、ほぼ年中無休で「命と向き合っている」泰宏さん。
野菜を見つめる目は、まるで我が子を見るように優しく、野菜の話をするときは本当に楽しそうです。
今後の展望についても語ってくださいました。
「これからは、農家がもっと発信して、直接お客さんにこだわりの野菜を届ける時代がくると思います。
旬の野菜をお届けするオリジナルのお野菜ボックスなど、自分としてもこれから色々なことにチャレンジしていきたいです。」
取材中にも話の中から溢れ出てくるアイデアは、私たちをワクワクさせてくれます。
その根幹にあるものは、お客さんに喜んで欲しいという熱い情熱で、
泰宏さんは取材中もどんな野菜が好きか、新作の味の好みはどうかと、
常に野菜を食べる人=消費者の気持ちに寄り添った話をしてくれていました。
何気なく通り過ぎてしまう風景に少し目を向けてみると、私たちの生活と緩やかにつながっていることが分かります。
北本には内田さんのように、素敵な農家さんや美味しい野菜がまだまだあります。
いつも何気なく通り過ぎてしまう隣の畑では、どんな人がどんな思いで野菜を作ってくれているのか。そんな緩やかなつながりに目を向けてみると、毎日が少し楽しくなる &green の暮らしの豊かさが見えてきます。
そんな農にまつわるエトセトラを紹介していく&green column。
どうぞ引き続きお付き合いください。
===&green CAFE 「北本の旬を美味しく食べる」===
-季節の自家製ジュースとスイーツのお店-
暮らしの隣に畑があるから、いつでも採れたての野菜が楽しめる。北本ならではの野菜の楽しみ。
北本の豊富な野菜と果物の旬の魅力を存分に。
&green CAFE
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10:00-16:00
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&greenCAFEでは、毎月、北本の旬の野菜とその農家さんの魅力を、カフェメニューやニュースペーパーを通してお伝えしていきます。